水谷未耶さん(博士後期課程1年)、石崎公庸元助教(現、神戸大学准教授)、河内孝之教授らの研究成果が、国際学術誌 「The Plant Cell」のオンライン速報版で公開されました。

遺伝子特性学分野の水谷未耶さん(博士後期課程1年)、石崎公庸元助教(現、神戸大学准教授)、河内孝之教授らのグループと広島大学との共同研究による論文が、国際学術誌 「The Plant Cell」のオンライン速報版で公開されました(10月29日)。

遺伝子特性学

大気中の二酸化炭素を利用して光合成の炭素固定反応を行う植物にとって、植物組織の内部に空間を確保することは重要です。接着している植物細胞同士が乖離することで形成される細胞間隙を離生細胞間隙と呼びます。今回の研究では、モデル生物である苔類ゼニゴケの突然変異体を利用して離生細胞間隙形成の仕組みを明らかにしました。nopperabo1 (nop1)変異体はゼニゴケの細胞間隙である気室および気室孔が形成されないため、表面が滑らかな葉状体を形成します。この突然変異の原因となった遺伝子NOP1がコードするタンパク質は、細胞膜付近に局在し、特異的なタンパク質分解を行うE3-リガーゼでした。つまり、特異的タンパク質分解(ユビキチン-プロテアソーム系)が植物の細胞間隙の形成を促進することを明らかにしました。この仕組みを更に深く解明すれば、細胞間隙の形成頻度や大きさを制御して、二酸化炭素を固定する光合成能力が改良できる可能性もあります。また、この研究は同研究室で研究基盤の開発が行われたモデル生物の苔類ゼニゴケを利用して、効率的かつ独創的に研究を展開している点でも評価されています。

論文名:Essential Role of the E3 Ubiquitin Ligase NOPPERABO1 in Schizogenous Intercellular Space Formation in the Liverwort Marchantia polymorpha (苔類ゼニゴケの離生細胞間隙形成におけるE3ユビキチンリガーゼNOPPERABO1の不可欠な役割)

著者:Kimitsune Ishizaki*(石崎公庸、元助教、現神戸大学准教授), Miya Mizutani*(水谷未耶、博士後期課程1年), Masaki Shimamura (嶋村正樹、広島大学), Akihide Masuda (増田晃秀、平成22年度修士課程修了), Ryuichi Nishihama (西浜竜一、講師), Takayuki Kohchi (河内孝之, 教授) *共第一著者

http://www.plantcell.org/cgi/content/short/tpc.113.117051?keytype=ref&ijkey=ysHnRnjgklfa683