セミナーの案内(来聴歓迎)
2012年11月7日(水)
15:00〜16:00
北部キャンパス農学部総合館 W306講義室
Yoh Isogai, Ph. D (磯貝 洋博士)
(Catherine Dulac Laboratory, Howard Hughes Medical Institute,
Department of Molecular and Cellular Biology, Harvard University)
「Molecular Biology of Pheromone Detection
(フェロモン受容の分子生物学) 」
嗅覚は環境中にある好ましいあるいは避けるべきにおいを感知するだけでなく、先天的な生殖に関わる行動を引き起こす。これらの行動は、においを感知する神経系でどのように制御されているのだろうか。昆虫では 種特異的な行動を引き起こすフェロモンなどの化学物質は一般的である。それに対して哺乳類ではこのような物質は報告例が少なく、現在全体像がまだよくわかっていない。演者の所属している研究室では、鋤鼻器(Vomeronasal organ, VNO)という、 脊椎動物に広く存在する第二の嗅覚器官がフェロモン受容に大きな役割を果たしていることを明らかにした。特にマウスにおいては、VNOは交尾や種間での攻撃および天敵から身を守る行動を制御することがわかっている。VNOには250ほどの受容体が発現しているが、受容体のこれらの行動に関わる役割はほとんど未解明のままである。演者は分子生物学的手法を用いて、100近くのレセプターがどのような情報を感知しているのかを解明した。本セミナーではまず哺乳類のフェロモンについて詳しく解説し、その上で新しい研究成果を紹介したい。アメリカで研究希望の学部生を特に歓迎します。(なお、発表は英語でお願いする予定です)
参照文献
Isogai, Y., Si, S., Tan, T., Pont-Lezica, L., Kapoor, V., Murthy, V., and Dulac, C. (2011) Molecular organization of vomeronasal chemoreception, Nature 478: 241-5.
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