本城咲季子さんが「たちばな賞」を受賞

記念すべき第1回の京都大学優秀女性研究者賞「たちばな賞」に、本年1月23日付けで博士後期課程を修了し博士(生命科学)の学位を取得した本城咲季子さんが受賞された。

その表彰式と受賞者による研究発表が、桃の節句・ひな祭りの日である3月3日(火)の12時50分から芝蘭会館稲盛ホールで行われた。

この「たちばな賞」は、優れた研究成果を挙げた本学の若手女性研究者を顕彰することによって、研究意欲を高め、我が国の学術研究の将来を担う優れ た女性研究者の育成を目的として、平成20年度に創設されたものである。今回は記念すべき第1回目の受賞であり、学生部門と研究者部門から各1名ずつ選ば れ、学生部門からは9名の応募・推薦があり、審査の結果、本研究科の本城さんの受賞が決まったものである。

表彰式では、松本総長から賞状及び「たちばな」をレリーフした記念の盾が授与された。

京都御所紫宸殿の「右近の橘・左近の桜」で有名な橘(たちばな)は、日本に古くから野生していた常緑樹である。常緑が「永遠」に通じるとのことか ら、文化勲章は元々桜をモチーフしたものであったが常緑の橘になったようで、京都大学優秀女性研究者賞の「たちばな賞」も「永遠の願い」が込められたもの であろう。

また、表彰式後、同会場において各受賞者の研究発表が行われ、本城さんは約30分にわたり「食餌制限による寿命延長の分子機構」と題して、その研究内容と成果を門外漢にも理解できるようわかりやすく、しかも理路整然と説明された。

本城さんのコメント

たちばな賞という大変名誉ある賞を頂き、本当に嬉しく光栄に思います。四回生で卒業研究を開始する 時に、指導教員である西田先生が「研究というのは5年くらいやってみないと、本当に向いているかどうかわからない」と言われたのが印象に残っていました。 そこで、とりあえず5年間は研究をやってみようと思い、就職は考えずに博士課程に進学しました。その間、西田先生には、適切なアドバイスを頂きながらも、 基本的にはマイペースに研究をさせて頂きました。その結果、幸運にもこのような賞を頂けることになりました。しかし、自分の周囲を見渡しても、もっともっ と優秀な女性研究者、男性研究者ばかりです。本当に自分の未熟さを痛感しているところです。
今後もあせらず、自分なりに地道に努力していきたいと思います。

西田教授(指導教員)のコメント

生命科学研究科の大学院生の約3割は女性であるが、助教、講師、准教授や教授には女性は数えるほどしか今のところいない。生命科学研究科にとって、 これは大変な問題であり、大変な損失である。京都大学全体でも、同じ問題、同じ損失を抱えている。この問題を少しでも好転させようと、たちばな賞がもうけ られた、と僕は思っている。そして、その栄えある第1回の受賞者に、生命科学研究科の本城さんが選ばれた。すばらしいことで、本城さんには、心からおめで とう、と言いたい。たまたま運良く、僕が指導教員であったので、僕も大変うれしい。本城さんは理学部2回生の時の「細胞生物学」の講義の時から、極めて熱 心で積極的な学生で印象に残っていたが、本当に運良く4回生の時に僕の研究室に来てくれ〈しかも、同じく非常に優秀な友達(女性)を連れてきてくれ〉、大 学院も僕の研究室へ進学してくれた。本城さんは、自身の持っている才能と資質が、自然と(本人は努力していると思うが、僕からすれば、という意味です)開 花して、しかも大きな実をたくさんつけていく人間で、指導教員として楽でもあり、見ていてうれしい気持ちになれる人である。連れてきてくれた友達も、全 く"同じ"である。このように、また、この二人以外の僕の研究室の女性もほとんどが"同じ"であったので、最初に戻ると、本当に生命科学研究科は損してい るというのが実感です。来年からも、たちばな賞を生命科学研究科の人間が次から次へと受賞して、生命科学の最先端を切り開く女性研究者が輩出され続けるこ とを祈りたい。

稲葉女性研究者支援センター長のコメント

京都大学優秀女性研究者賞『たちばな賞』は、女性研究者支援センターが女性研究者の育成を目的に本年度9月に創設したものです。学生部門において、 独創的な研究を進めている推薦されてきた多くの院生の中から、厳正な選考の結果、本研究科の本城咲季子さんが選ばれたことは、喜ばしい限りです。この受賞 が励みとなり、研究者としてさらに大きく飛躍されることを願ってやみません。本当におめでとうございました。

uid000001_2010031315503411f97e4d

uid000001_20100313154852201fb8a9 uid000001_2010031315494003e3fb37 uid000001_20100313154821f21dc91a