解析の詳細

通常のSDS-PAGEに用いるLaemmliバッファー(サンプルバッファー)中に溶解した状態でサンプルをご準備ください。
お預かりしたサンプルを4-15%グラジエントゲルでSDS-PAGEに展開後、染色(銀染色またはCBB染色)いたします。
切り出し位置のご指定がある場合、この時点で染色したゲルの写真をお返しします。速やかに切り出し位置の指定をお願いいたします。目安として切り出し位置の案を提供することも可能です。切り出し位置の指定がない場合、切り出し位置はお任せいただくことになります。
切り出し位置決定後、ゲルを切り出し、それぞれのゲル片ごとに脱色、脱水処理の後、オーバーナイトでトリプシンによるゲル内消化を行います。
ゲル内消化後、消化されたペプチドを抽出、濃縮して測定サンプルといたします。
以上のように調製したサンプルをLC-MS/MSシステム(質量分析計:Q Exactive Plus, Thermo Fisher Scientific)で測定し、蛋白質同定ソフトウェアMascot Server(Matrix Science)を用いたデータベース検索により解析を行います。

留意点

  • 解析をご依頼される前には、必ず蛋白質解析室(150proteomics*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えて下さい))宛にメールにてご連絡下さい。
  • サンプルは、凍った状態で蛋白質解析室担当職員まで直接受け渡しするか、冷凍便で送付下さい。(いずれの場合も日時を担当職員と協議したうえでご持参、ご送付下さい。)
  • サンプルの量や状態により、有意な解析結果が得られないこともあり得ますが、同時に何らかの蛋白質が同定されている限り、分析そのものは成立しているものと見なさせていただきます。
  • 細心の注意を払って解析にあたらせていただきますが、万が一の機器トラブル等によりサンプルが毀損される可能性もございます。その際は、無償で再解析を実施させていただきますが、毀損によって生じたいかなる不利益に関しても責任は負いかねます。
  • 事前打ち合わせやサンプル受け渡しの日程調整、解析結果の返却等に関しましては、できる限り迅速に対応させていただくように努めますが、他の解析サンプルの状況等によりお時間を頂戴することがございます。
  • 蛋白質の同定については、統計的な指標による評価の結果として行うものですので、偽陽性の蛋白質が含まれることが(ほぼ間違いなく)あります。同定された蛋白質が有意であるかどうかの判断は、独立した実験等によりご依頼者様の責任で行ってください。
  • ゲノムデーターベースが整っていない生物種に対する解析では、同定できる蛋白質が限定されます。対象生物種がヒト、マウス等データベースが充実している生物種の場合はUniProtのデータベースを用いますが、そうでない生物種の場合は、NCBIのデータベースを用いることで対応いたします。(NCBIのデータベースでもエントリー数が少ない場合があり、十分な解析ができないことがあります。)また、FASTA形式のファイルをご準備いただければ、それを元にしたデータベースを構築し用いることも可能です。
  • サンプル調製において、ケラチンの混入をできるだけ避けるよう配慮いたしますが、混入を完全に防ぐことは非常に困難ですので、あらかじめご了承ください。また、ケラチンを対象とする解析もお受けできかねますのでご了承ください。
  • その他の事項について疑義が生じた際には、協議の上円満な解決を目指しますが、ご依頼者様の全てのご要望にお応えすることを保証するものではございません。